先日の名古屋のイベントで、
約2年前にオーダー頂いた、名古屋にお住まいの方から修理と再オーダーのご依頼がありました。

内装に合わせたパープルカラーのドライビンググローブ
紫なんて革は使うこともなく、手袋用の革としてはほとんど流通もしていないのですが、
たまたま一枚だけ持っていたスペイン製の高級ベビーラムで創りました。
ラム革はシープ革や鹿革に比べ耐久性に劣るので、それを補うために裏に高級裏地キュプラを貼りあわせて耐久性を持たせる創りにしました。
DSC00545P1090563

それが2年も経過を経てこんな悲惨なお姿に。。。

特にシフトノブを握る掌側は大きく裂けておりました。
2年もすると、シープ革ラム革なんかは経年とともに革が硬化して同じような状態になります。
これは、その革の持つ特性なのですが、
私がメインで使っている鹿革はそのような状態になりにくく、シープやラムに比べ耐久性がありますね。
DSC_0494DSC_0496

さて、
ほとんど寿命を迎えた手袋ですが、裏地(キュプラ)を貼っていたのが幸いして、補強アテを当てればまだ使えます。
後から縫い付けるので、全てを覆い被せる事は出来ませんが、出来るだけ大きく、耐久性とフィット感を考えて鹿革のパッチを当てることにしました。DSC_0499
DSC_0501

せっかくなのでステッチは紫に
ほぼ完璧に修理が出来ました。
これで、あと1年は寿命が伸びたでしょう。
DSC_0503DSC_0504


私の創る手袋は生涯修理します。
その手袋が寿命を迎えるまで


最後に、ご注文頂いた方は、手の手袋がトレードマークとなっていて、もう手放すことが出来ないと言って頂けました。
本当にありがたい事で職人冥利につきます。

M様、誠にありがとうございました。


手袋のことなら何なりとご相談下さい。
手袋職人歴30年、その技術は誰にも負けないと自負しております。
イズイシ手袋出石尚仁が精魂込めて創らせて頂きます。

ご注文・お問い合わせにつきましては、CACA-ZAN HPで詳細をご確認下さい。